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大学進学を考える ~その2~

就職を通した大学進学の意味は…?

「大学進学を考える ~その1~」で、「就職」というワードからその意味を考えました。しかしながら、ただ就職するだけでなく、「就職準備」という側面からも大学進学には大きなメリットがあります。


一つには、就職活動をフォローする体制の充実があげられます。その内容に差異はあるものの、大学には学生課・就職課といった就職を後押しする部署があります。学生は積極的にその部署を利用し、就職するためのオリエンテーションに参加し、企業の待遇や雰囲気・離職率などの情報を集め、複数の就職先を選定し、エントリーシートの書き方を教わり、添削してもらい、大学によっては面接指導を受け、就職活動に向かいます。また、志望する企業に勤める大学の先輩を紹介され、その先輩との面談を通じてある程度の手応えを感じ取ることもでき、逆に先輩を通じて人事に名前を売るということもあるのだそうです。それと比較すると、高校のそれはそこまでの手厚いフォローとはいえないのが現状です。特に高校新卒者の就職先のエントリーは、その高校と就職先の信頼関係などのつながりがあるため、基本的に一社しかエントリーできない一人一社制が基本になります。そのため、採用が見送られたとき、次に用意される就職先の待遇や給与・会社の経営状態の良し悪しは、採用を見送られた企業と比べると低下する傾向にあります。当然、志望する企業に勤める先輩と会うことはありませんし、アピールもできません。このように就職活動そのものにおいても、大学に進学するメリットはあるといえるでしょう。


しかし、それ以上に重要なのは、就職する前に労働する機会が大学生にはあることです。そうです、アルバイトです。大学生の多くはアルバイトを通じて学費を補ったり、生活費に充てたり、小遣いを得たりしています。ある企業の調べでは、大学生の「現在アルバイトをしている」「過去にアルバイトをしていた」割合は90%程度になり、ほとんどの大学生がアルバイトを経験していることになります。一方、高校生のアルバイトは、アルバイトを禁止する高校もあることから、日本全体で許可されているアルバイトの割合は25%程度、無許可も含めると40%程度といわれます。また、地方ではこの割合が大幅に低下し大都市圏以外の平均は10%程度までになるといわれます。


このことは、就職する前の「プレ就職」つまり労働経験があるかないかということに繋がり、ひいては労働に対する「耐性」を意味します。つまり大学生の多くは労働を経験し、その中で厳しさや責任を経験してから就職することになり、高校生はほとんどがそれを経験しないまま就職することになります。このことは、離職率にも影響することは容易に想像できます。高卒者の離職が3~6か月に多いことも、この経験がないことに起因するかもしれません。また、家での家事手伝いや役割を担う子どもが極端に少ないこともあり、全く仕事をしたことがない人間が急に厳しい労働環境に置かれることになり、早期の離職も理解にたやすいことでしょう。


つまり、就職活動も就職前の労働体験も、大学生の方が優位にあるといえます。そのことからも、大学に進学する意味は大きいといえるでしょう。


次に、就職ではなく大学に進学する意味を考えてみましょう。大学で学ぶことの意味についてです。


高校と異なり、極端なまでに特定の分野について学ぶのが大学になります。人文科学、社会科学、理工学や医学など、その分野に特化した学びを追求する場になります。そのことはある意味「スペシャリスト」になるための学びといえます。しかしながら、大学の学びの本質は「自ら学ぶ機会が得られる」ということです。大学では、膨大な図書、造詣の深い教授陣、自由な時間が揃っています。サークル活動などに時間を費やすこともできます。アルバイトに注力することもできます。しかし、大学生の本質はその自由な時間を通して「自らの学びを追求する」ことで、そのために大学はその環境と人材そして時間を用意しています。そこには、「自ら考え、自ら探求し、自らの結論にたどり着く」という、まさに「研究」するという機会が与えられます。その研究を通して、物事に対する姿勢や準備、論理的思考などを体験することができ、このこと自体が企業での活動に役立てることができます。上司からいわれたことをするだけでなく、自ら考え、その意義を理解し、求められる結果を想定して、そこに結び付く行動を考えられる基盤を、大学の研究を通して養うことができるのです。どの分野であれ、研究する過程は論理的思考を養いますので、上記のような基盤を身につけることができます。それだけで、高卒者と大きな違いが労働者としてはもちろん企業活動を担う範囲や役割が異なるのも納得です。


それと同時に、大学に進学した子の感想が、大学に進む意味を決定づけているといえます。


~次回は、大学に進学した子の想いや気持ちを中心にお話しします。~

 
 
 

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